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2011年11月13日 (日)

あの子を探して

 朝、テレビを付けると、TPBS(タイ公共放送)で見覚えのある映画が。

 チャン・イーモウ監督の「あの子を探して」でした。おぉ、懐かしい。

 英語字幕の付いたバージョンで、その英語字幕にぼかしを入れて、上からタイ語字幕をかぶせてあります。なおかつ、タイ語吹き替え。

 さらには、村長さんがたばこを手にすると、手元はぼかし。ぼかしから煙が立ち上ります。

 ということで、ストーリーの詳細は把握できません。記憶をたどりながら楽しみました。

 段ボールを引っかき回せばDVD(初恋の来た道とセット)が出てくるはずですが、相方曰く、
「だって日本語でしょ?」
…はい終了。

 この話、詳しくは、グーグルで調べれば山ほど書いてあるので省略しますが、よくよく考えてみると、この主人公って、えらくも何ともないのね。別に、その子がかわいそうとかそういう理由でなく、インセンティブほしさに出稼ぎに行っちゃった子どもを捜すわけだし。

 ただ、主人公があまりに幼いから、インセンティブをはるかに超える労力を使っても(そう、この子は費用対効果に関する概念がないんですよね)、その中で、ちょっぴり成長しちゃうから、救われるっていうところなんでしょうか。

 TPBS、途中に洪水のニュースを挟みつつも、CMなしで放送してくれます。よかったです。

 

 

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2011年11月 9日 (水)

バンコク洪水マップ、防衛戦

 洪水マップを作った方がいらっしゃいます。更新もされるとか。感謝です。人に説明しやすい。
 http://flood.namjai.cc/e62559.html

 私の家は、「パヤタイ駅」にあります。

 さて、パヤタイ駅と洪水との関係を。これが遠いのか遠くないのか。

 うちの辺りは今のところ、水は北から来ています。北の水は、BTSモーチット駅を少し南下したところで3日ほど停滞中。

 バンコクポストにデフォルメされた地図があります。
327826

 北から来る水に対して、東西に延びる3本の運河(Khlong)。今、第1線のバンスー運河にポンプを投入して必死に水を川の方へと追い出しています。この辺、うちから4.5キロぐらいでしょうか。ビッグ・バッグと呼ばれる巨大土嚢をもっと上の方に置いたり、ドンムアン空港に水を蓄えたりしていることから、今のところこれで動きが遅くなっているのでしょう。

 ここを突破されると次の防衛線は、サムセン運河。サムセン運河が突破されると、戦勝記念塔(ビクトリー・モニュメント)に到達。ここは市内・郊外・中距離の交通の要衝で、ここが落ちてしまうと、都市機能としてはかなり厳しくなります。

 私の家は、このポイントから1キロほど。ここまでで、どれくらい水が外に追い出されたかで、私の家の周囲の浸かり具合が決まります。

 サイアムやスクンビットといった商業中心地・日本人街は第3線のセンセーブ運河の南。今のところ、センセーブ運河ボートは動いているようです。ただ、東側から直接運河に水が大量に流れ込むようだと、第2線を飛び越して水があふれるのかもしれません。こればかりは予想つきません。

 もちろん、運河だけではなくて、部分的には地下を通して排水するシステムもあるとのことなので、それらを総合してどれだけ粘れるか。粘って、被害をどれだけ減らせるか(粘る=すでに浸かった人たちの被害が回復しないというのもあるのですが。。。。)がポイントです。

 地下を通して水は浸透しているから、洪水ではなくて、いきなり下水から吹き出す、という人もいます。それはやだな。ゴム長靴が飛ぶように売れています。

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2011年11月 7日 (月)

TPPはよくわかりません

 日本語のニュースというか、サイトを見ていると、TPP賛成、反対の議論を目にします。特に農業分野が政治的に焦点化しているわけですが、これは今に始まった話ではなく、幼い私の頭にも「ガット・ウルグアイラウンド」なる言葉が「OPEC」なんかと並んでインプットされてきたわけです。

 ちなみに、タイは、最初からTPPに参加表明していないし、おそらくこれからもしないと思われるので、他人事かと思われます。

 それはさておき、下世話なニュースサイトを見ていると、フジテレビはTPP推進派で、そういう論客ばかりを集めた番組を作っているとか。反対派といえば、亀井静香さんがパッと思い浮かびます。山田元農相が党を割ってでも反対したいと言ったとか。あの植草先生も反対派ですね。

 個人的には、自由化そのものは日本全体の生き延びる道だろうと思います。ただ、TPPでいいのか、は正直なところ、わからない。直感的にグローバル化ではなくアメリカ化の匂いがするからです。あくまで直感ね。

 組み合わせも、チリ・シンガポール・ニュージーランド・ブルネイといった原加盟国を見ると、もともとそんなたいした物ではなかったのに、アメリカ・豪州・ペルー・マレーシア・ベトナムと、急に豪華なメンバーになってしまっています。ここに、日本も、というのは、そこはかとなく、うさんくさい。

 で、そのうさんくささはさておき、自由化一般が悪い、というのは正しくない。パイそのものがでかくなるのは確かです。問題は、それをどう分配できるかになります。ここに「政府の役割」があるわけで、それがなくなったら、北斗の拳の世界になってしまいます。

 原田泰氏が面白いことを指摘しています。
 http://www.tkfd.or.jp/research/project/news.php?id=832

 まあ、農産物は実はかなり自由化されていて、なぜか極端に税率の高い分野がある、という、知っている人は知っていることを改めて書いておられるわけですが、TPPを機におかしな矛盾を議論せよ、というのは新鮮ですね。まあ、TPPじゃなくても、議論すべきだし、できるとは思いますが。
 

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2011年11月 6日 (日)

何でも非難すればいいというものでもなかろう

 日本から、ポンプ車が10台来るようです。ただ、今から船便で行く、ということなので、スピード感を巡って、批判も多いようです。

 私がむしろ心配するのは、ポンプ車をどこで使うかとか、バンコク都とちゃんと詰め切れているのかどうか、というところです。17日までには、必要なところははっきりするでしょうから、詰めてほしいものです。それでこそ、先行して専門家を派遣した意義があろうというもの。実働しなきゃ意味がないので。。。

 それを知ったのが、以下の記事。最後に引用してあります。ライブドアニュースで拾いました。読んで、正直なところ、ネット・ジャーナリズムにもがっかりさせられました。

 ソースが
・NHKを観ました
・タイ人の日本語ブログも読んでます(そのブログ自体、タイの報道の引用)
…って。。。
 これをもとに「時機を失した」と断じる根拠はどこよ??

 第一、サイトで引用している地図は「行政区ごとの図」です。青く塗ってあるところがすべて浸水したわけではありません。行政区の一部が浸水したと認められたら、行政区全体を青く塗りつぶしています。これ見て騒ぐのは、あおりすぎ。
 ちなみに、同じサイトの次のタブを開かないと、「衛星写真の分析による現状図」は出てきません。これと比べればはっきりしますが、ホンの一部でも浸水したら全部を青く塗りつぶしているのが分かります。

 確かにタイにやってくるポンプ車は高性能なんでしょう。ですが、今回の洪水の総規模は琵琶湖1/3とも言われています。バンコク都内に来るのはそのホンの一部なんですが、それでも25mプールを排水するのに数分かかるポンプでできることはそんなに多くはありません。
 バンコクは、湿地帯かつ低地にあるので、冠水が多いのは仕方のないところです。それでも、1990年代から数多くのポンプを導入していて、普通の大雨の冠水程度なら数時間で排水可能だったりします。

 このブログでは、「戦後処理」と非難していますが、ポンプ車が数台来たら、洪水から大都市を守れてしまうという空想をしているとしたら、その方がものすごい(まさかそんなことはないでしょうが)。筆者にとって、タイはよほど未開の地で、日本の技術が来たら皆ひれ伏すところなんでしょうか。
 むしろ、水が来た後、どれくらい水が滞留するか分からない状況の中で、排水能力を高めることの方が意義があるでしょうね。どこに置くのが有効なんでしょうねえ。
 あ、もちろん、ポンプ車が早く来ることに越したことはないんですよ。自分も遅いなあ、とは思っていますから。ただ、時機を失したとはこれっぽっちも思っていない。

 タイのことを同情しているような書きぶりですが、相手のことをきちんと調べずに書いているのがまるわかりです。この筆者は何でもいいから、政権叩きをしたいのでしょうか。そのためにタイを持ち出されたような感じがしてなりません。


(以下、引用)
http://news.livedoor.com/article/detail/5999766/
あまりに緩慢な政府のタイ大洪水支援スタート
2011年11月05日15時18分

団藤保晴

 NHKニュース《タイ洪水に援助隊とポンプ車》は5日、横浜港から高性能の排水ポンプ車10台が貨物船でタイに向かったと伝えました。現地到着はなんと17日だといい、首都バンコク中心部で心配される水没には間に合いません。これだけ騒がれ続けていたのに、あまりにも緩慢な支援策の立ち上がりにがっかりです。

 「現地に送られる排水ポンプ車は、1分間に30立方メートルの大量の水を排出する能力があり、東日本大震災でも津波の浸水地域で使われましたが、海外への派遣は今回が初めてです。派遣されるメンバーの責任者の、外務省外国人課の舩山光一企画官は『現地の人たちが一日も早くふだんの生活に戻れるよう、自分たちの役割を果たしたい』と話していました」と、最初から「戦後処理」のつもりです。付いている動画を見ると、大型貨物機をチャーターすれば十分に運べる大きさです。

 タイ大洪水の情報は、ウチャラポーンさんの日本語ブログ「バンコクでコンサルティング」でウオッチさせていただいています。5日には「明日にも日本人学校も被災か/男性がワニに噛まれ重体/危惧される地下鉄への浸水 」と、いよいよ都心部が危うくなっていると伝えています。現地の洪水情報システム地図に中心部繁華街やスクムビットの日本人居住区などを書き込んで以下に掲げます。政府の洪水対策本部があるビル周辺は水没していますが、ビルそのものは遮水壁に守られている状況です。
 
 「報道によると南下を続ける大量の水が、日本人も多く居住するスクムビットエリアや商業の中心シーロムエリアから数キロの所まで迫っており、徐々にスピードを緩め、早ければ明日にもバンコク日本人学校に、3~4日後にはスクムビットへ届くと言われています」「昨晩の報道では、地下鉄のラチャダー
ピセーク駅周辺も浸水し始め、その先には地下鉄の操車場もあり、水の流入が心配されています」

 10月末の大潮で川が溢れた危機は何とか凌いだのですが、標高差に乏しい平野を北部からゆっくり南下してくる洪水の塊に抵抗する手段は多数ある運河を活用するだけです。平らな土地にある運河に排水力を多く期待するのが間違っていると思います。日本の強制的な機械排水力は確実に役立つはずなのに、時機を失したのは残念です。
(引用終わり)


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2011年11月 5日 (土)

これはタイの話でしょうか?

(引用開始)
 表口の柱へヅウンヅシリと力強く物の障った音がする。
   (略)
前に表(オモテ)の柱へ響きをさしたのは、郵便配達の舟が触れた音でありしことが解った。
 郵便の小舟は今我が家を去って、予に其(ソノ)後背(ウシロ)を見せつつ東に向って漕いで居る。屈折した直線の赤筋をかいた小旗を舷に挿んで、船頭らしい男と配達夫と二人、漁船やら田舟やら一寸判らぬ古ぶねを漕いで居る。水はどろりとして薄黒く、浮苔のヤリが流れる方向もなく点々と青みが散らばって丁度溜り水のような濁水の上を、元気なくゆらりゆらりと漕いでゆくのである。(後略・引用終わり)

 今週のいつだったか、テレビで郵便配達がせっせと船で郵便を配っているのを見て、この一節を思い出しました。

 これは、明治40年(1907年)11月に発表された伊藤左千夫の『水籠』(みずごもり)。岩波文庫で、野菊の墓と一緒に所収されています。わずか7ページの短編ですが、洪水に見舞われた千葉東葛地方に住む一家の、午後の一時が、丁寧に記述されています。

 いまでこそ、ゲリラ豪雨とかが話題になり、いかにも水害が特別なように語られますが、江戸時代から、戦後の途中まで、江戸→東京と時は流れても、常に人々は水と闘っていました。川を付け替え、遊水池を設け、堤防を築きと、不断の努力を何百年と続けてきているわけです。
 地下に雨水を溜める、巨大な宮殿のような施設を設けているのも有名な話です。これができた辺りから、水害が急速に他人事になってきた感があります。

 それはさておき、水籠。改めて読むと、記述が大変興味深い。へその深さまでの濁り水、4畳ほどのスペースに固まる一家6人。水が一寸五分引いたの引かないのと言う家族の会話。庭に迷い込んだウナギを捕まえようとして失敗する様。引き潮で水が本格的に引きはじめるのではないかという主人と客との会話。客は、2食分のご飯と水を持ってきてくれていた……。

 大変な状況のようであって、間にかわいい幼子の描写を挟むことで、伊藤は「愉快」と表現しています。主人公はランプの明かりの下、夕飯にビールまで出させているのです。

 これを読むと、タイ人は楽天的で、日本人は勤勉、というステレオタイプはどこまで正しいのだろうか、と思わされます。何かが「日本人は勤勉で素晴らしい」という無責任なキャンペーンに駆り立てているように思います。ぜひ一度読んでみてください。ネットで読めます。

http://pddlib.v.wol.ne.jp/literature/sachio/mizugomori.txt 

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