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2008年7月24日 (木)

いい加減にしてほしい事件分析

 たとえば、殺人を犯した未成年の部屋から、読売新聞が押収されたとする。その中に、未成年が殺人を犯したという記事があったとしよう。そうしたら、「読売新聞にあった殺人を見てヒントにしたのではないか」とか「読売新聞の記事が未成年に刺激を与えた」という議論は成立するだろうか。

 議論としては成立する。記事に影響を受けて同種の犯罪を模倣する人が続々と出てくるなんていう例はいくらだってある。模倣をするには、血や叫び声の混じったアニメは必要ない。要は、そんな議論に意味があるのかということだ。

 また、「ひぐらし」がやり玉に挙がった。今回は読売新聞が先走っているようだ。大マスコミの分析とも言えない、何にも考えない分析(もどき?)にがっかりさせられる。

 事件は起こす人は起こすし、起こさない人は起こさない。当たり前だが、「猟奇モノ」を読んだ人すべてが事件を起こすわけではない。逆に、事件が一般のメディアに取り上げられただけでも、模倣犯は発生する。猟奇モノに刺激された人は「異常者」で、模倣犯はそうでない、という線引きには意味があるのだろうか。どちらも殺人には変わりない。

 分析すべきは犯罪を犯した人の動機そのもの、心の闇だ。なんだって、引き金にしようと思えば引き金になる。記事や漫画がなくても、たまたま金属バットが目の前に落ちていれば、それが引き金になることだってある。引き金をいくら分析しても、事件の核心に近づくことはできない。

 PS2版「ひぐらしのなく頃に 祭」は14万本以上出ている。それ以外にPCゲーム、アニメ、漫画、映画などの形でこのサスペンスは流布している。それを見て、いったい何人が殺人を犯したというのだろうか。人数だけでいうなら、読売新聞の購読者で殺人を犯した人数の方が多いに決まっている。それは、読売新聞のせいではなく、単に読売新聞の購読者が圧倒的に多いからだが。

 「○○を見たから」などという言説は、所詮その程度のものでしかないのに。

-----------以下、引用-----------

猟奇殺人の漫画が犯行に影響か…埼玉・川口の父親刺殺事件
 埼玉県川口市で男性会社員(46)が刺殺された事件で、殺人容疑で送検された中学3年の長女(15)について、知人らが「少女が凶器を使って殺人を犯す場面が含まれた漫画を読んでいた」と話していることがわかった。

 捜査関係者によると、長女の知人や学校関係者らは、「(長女が)友達から勧められ、最近、読み始めた」と証言しているという。

 長女が読んでいたとみられるのは、「ひぐらしのなく頃(ころ)に」。人気ゲームをもとにコミック連載され、テレビアニメや小説になっている。今年5月に映画化された。少女が突然ひょう変し、斧(おの)などで人を殴り殺害するなど猟奇的な殺人の場面がある。埼玉県警は、長女が漫画の影響を受けていたかなど、事件を解明するカギとなるとみて詳しく調べる方針。

 JR岡山駅ホームから今年3月、岡山県職員を線路に突き落として死亡させたとして逮捕された少年(当時18歳)の自宅から、この漫画が押収されている。2007年に京都府警巡査部長が二女(当時16歳)に斧で殺害された事件後、視聴者らから「事件を連想させる場面がある」との指摘があり、放送を休止するテレビ局が相次いだ。

 (以下略)

(2008年7月23日03時09分  読売新聞)

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